徳島の児童養護施設

『藍色の風 第6号』で 阿南市富岡町妙泉寺の境内にある児童養護施設、たちばな学苑の紹介をしました。この施設では、いろいろな事情で親元での生活ができなくなった子どもさんを預かり、家庭機能を代行しながら子ども達の生育を見守っています。こういった児童養護施設に、家庭の中で余っている生活用品などがあればご寄付いただきたいと記しました。

先日、数年前に受診された女性がたくさんの洗面用品などを持参してクリニックにこられました。ご用件を伺うと、大手の洗剤メーカーにお勤めで、サンプル商品がたくさ余り処分に困っていた由。ふと、『藍色の風』の記事を思い出し、廃棄するよりは児童養護施設で使用してもらえたらとのお申し出でした。ありがたく頂戴し、たちばな学苑と、かねてよりおつきあいのある阿南市の宝田寮にもお持ちしました。

その宝田寮から私のところに寮のミニコミ紙(写真右)が送られてきているのですが、昨年11月発行のものに下のような作文が掲載されていました。身近なところに、すばらしい生徒さんがいます。皆様にも児童養護施設の子ども達を、応援していただければと思います。なお、たちばな学苑、宝田寮とも、新築工事が進行中です。こちらにもご援助戴けましたら幸いです。

【坂東】

高三 女子

私の将来の夢は、保育士になることです。私の支えになってくれた保育士さんのように同じ境遇の子ども達の支えになり、愛情をたくさん注いであげたいです。そのために大学進学をし、保育について学び、知識を増やし多くの子ども達と触れ合い、心の支えになり、信頼してもらえる保育士になれるように頑張りたいと思っています。

私は、施設での生活を経験し、様々な子ども達を見てきました。親の元に帰りたくても帰れない子、両親が亡くなってしまった子、虐待を受けていた子などがいます。また、自分の思い通りにならない時、様々な形で問題行動を起こす子がいて、私はその子のことをとても迷惑に感じていましたが、それは発達障害が原因であることを聞き、何も知らない自分が悔しくなりました。その時私は、大学で保育・教育に関する知識を増やし、その様な子ども達のサポートをしたいと思うようになりました。

施設での生活を経験し、様々な子ども達や先生方の指導を身近で見てきた私だからこそ、理解してあげられることもあると思います。今はこの経験がプラスに考えられるようになりました。私を今まで育てて下さった方々からたくさんの優しさを頂きました。今度は、私が恩返しをする時だと思います。夢を現実にするためにも真剣に毎日を生き、一日一日を大切にし、成長していきたいです。

『こちら宝田ォです:No.43 平成23年11月発行』

児童養護施設 たちばな学苑  
〒774-0030 阿南市富岡町寿通4−2
電話 0884-22-3229

児童養護施設 宝田寮 
〒779-1101 阿南市羽ノ浦町中庄 ミタテフ3番地 
電話 0884-44-2675