ビタミンKのお話

ワーファリン(血液を固まりにくくする薬)を服用されている方は、「納豆や青汁、クロレラなどはビタミンKが多く含まれているので摂取しないでください」と、説明を受けられたことがあると思います。そこで今回は、『ビタミンK』についてお伝えします。

●ビタミンKの発見
ビタミンKは1929年に、デンマークのダムという研究者によって発見されました。脂肪を全く含まない餌でヒヨコを飼育すると、出血しやすくなり、皮下や筋肉などの組織に出血を起こすと、その血液が固まりにくいという現象が見られたそうです。この出血は、その当時すでに発見されていたビタミンA、E、Cなどでは予防できないことから、新しい因子が関係しているのでないかと考え、ビタミンKと名付けられました。ビタミンKの『K』は、ドイツ語の凝固(Koaguration)の頭文字からきています。

●ビタミンKの種類
ビタミンKには、K1〜K7の7種類があり、天然のものはK1とK2の2種類で、それ以外の5種類は化学的に合成されたものです。ビタミンK1は主に植物の葉緑体で作られ、緑色の濃い野菜や海藻に多く含まれ、同じ野菜でも、日によく当たる部分に多く含まれています。ビタミンK2は主に微生物によって作られるため、納豆などに多く含まれています。また、腸内細菌もビタミンK2を合成します。

●ビタミンKの働き
ビタミンKは、普段は血液がスムーズに血管内を流れるように、血液が固まるのを防ぐ働きをし、出血があった場合は、血液を凝固させる物質を活性化し、出血を止める働きをします(ビタミンKが直接血液を凝固させるわけではありません)。また、ビタミンKには、骨を丈夫に保つ働きもあります。このため骨粗鬆症の方にビタミンKが使用されることもあります。

●ビタミンKとワーファリンの関係
ワーファリンは血液の凝固能を低下させる働きをします。しかし、血液に直接作用するわけではありません。血液を凝固させる物質は多数ありますが、そのいくつかが肝臓で作られます。その合成にビタミンKが関係しており、ワーファリンはビタミンKの働きを阻害することで、血液を固まりにくくしているのです。

Q.納豆を食べる時間と、ワーファリンを服用する時間をずらせば、影響はないのですか??
A.「×」です。
納豆に含まれている納豆菌は、腸内にいる間ビタミンKを産生しますので、その間は薬の効果が弱まってしまいます。また、他のビタミンKが多く含まれている食品も、腸内でビタミンKが吸収されていますので、影響があります。

 ワーファリンを服用されている方は、野菜などを摂取する際、どの程度の摂取量ならばよいのか・・・?と疑問を持たれることも多いかと思います。気になることがありましたら、医師にご相談下さい。

参考文献:ビタミンの事典 日本ビタミン学会[編集]  【臨床検査技師:宮原・田中】