はいにょうトラブル・トラブル・トラブル

尿の中には、血液中の老廃物や摂取しすぎた水、糖、塩分、またアンモニアなどの有害物質が含まれ、きちんと排尿することで血液がきれいに維持されます。尿を出す排尿という行為は非常に大切なのですが、何らかの要因で尿がスムーズに出なくなるといろいろな症状が現れて、対処が必要になります。

排尿障害は尿を「ためる」か「出す」かのどちらかのトラブルです。
◎膀胱に尿を「ためる」ことに関する障害を「蓄尿障害」といいます。
・ トイレが近い(頻尿)
・ トイレに行きたくなると我慢ができない。(尿意切迫感)
・ 尿が漏れる(尿失禁)

◎ 膀胱から尿を「出す」時の障害を「排出障害」といいます。
・ 排尿しようとしても尿が出にくくなる(排尿開始の遅延)
・ 尿の勢いがなくなる(尿勢低下)
・ 尿が出た後、すっきりしない(残尿感)
・ 尿が出ない(尿閉)
※ 尿の出にくい症状がひどくなると、頻尿・尿意切迫感・尿漏れ等も起こります。

いろいろな排尿障害がありますが、今回は頻尿についてお伝えします。
頻尿とは、尿が近くなってトイレの回数が増える事をいいます。おおよその目安として日中起きている時に8回以上、夜寝ているときに2回以上の場合に、それぞれ「昼間頻尿」・「夜間頻尿」と呼んでいます。

特に夜間頻尿は高齢者や中年以上の女性に多く、日常生活にさまざまな支障をきたします。就寝中に何度もトイレに行くため、不眠になったりストレスがたまったりして、血圧上昇の原因にもなります。また、暗がりで視界の悪い夜間にトイレに起きると、ふらついて転倒し、骨折することもあります。
このような夜間頻尿は誤った生活習慣から生じている場合もあります。まずは就寝前の生活習慣を見直してみましょう。

(1)就寝前の過剰な水分摂取を控えましょう。
夜間は尿を減らすホルモンが働いて、尿を濃縮し、尿量を少なくしています。加齢と共にそのホルモン量が減ったり、腎臓の濃縮力が低下したりして尿量を少なくする事ができなくなります。寝る前に水分を不必要に取りすぎると自然に夜間の尿量が増加します。尿をだす利尿作用の強いアルコールやコーヒー・紅茶、果物(特にみかん・スイカ等は水分が多く含まれています。)を控えましょう。

(2)夕食時間と就寝時間の間隔を空けましょう。
食べたものが尿になる前に寝てしまうため、入眠してから膀胱に尿が溜まり、目が覚めてしまいます。

(3)体の冷えを防ぎましょう。
寒くなると体表面の血管が収縮して血流が少なくなり、内臓への血流が増加します。腎臓への血流も増加するため尿量が増えます。寒い冬には電気毛布や湯たんぽで体を温めるのもいいですね。

(4)習慣を変えてみましょう。
眠りが浅いとつい目が覚めます。尿意がなくても目が覚めたからと、トイレに行ってしまう事があります。無理に我慢する必要はありませんが、トイレに行かなければと必要以上に意識をしないようにしましょう。

上記のような工夫をしてみても症状の改善が見られない場合もあります。慢性腎不全・心不全の時にも夜間の尿量が増える事があります。また、膀胱炎や糖尿病、男性の場合は前立腺肥大症、女性の場合は閉経後の女性ホルモン低下などで頻尿になることがあります。その場合は専門医の診察が必要です。一般的には泌尿器科や婦人科の受診になりますが、困った時にはお気軽にご相談下さい。

また、1日に何時間おきに排尿のためにトイレに立つか、どのくらいのお茶やジュース等の水分を取っているかをチェックする排尿日誌をつけられると、受診の際に参考になると思います。

●また、骨盤の底に広がる筋肉を鍛えると、膀胱の出入り口の緩みを改善できることもあります。夜間頻尿や失禁にも効果が期待できます。尿道を引き締める力をつけ、弱った骨盤底筋を鍛え、筋力をつけることで臓器が下がるのを防ぎます。また、肛門や膣を閉める訓練をすることによって尿道を締めることができ、尿漏れの症状を改善できる可能性があります。

◎ 骨盤底トレーニング(基本形)

  1. 仰向けに寝て、足を肩幅に開いてひざを立てます。
  2. その姿勢のまま、体の力を抜いて、1分間に10〜15秒間の割合で骨盤底を締めます。(これがきつい場合は、最初は5秒くらいから始めましょう。)
  3. 肛門・尿道・膣全体をしめ、陰部全体をゆっくりとしたテンポでじわっじわっと引き上げる感じです。おなか、足、腰等に力が入らないように意識します。
  4. しめたまま10〜15秒(はじめは5秒程度)数えてから、残りの45〜50秒は、体の力を全部抜きます
  5. ゆるめる、しめる、の動作をゆっくりしたテンポで、できるだけ繰り返します。これを1回10セット(10分)ぐらい1日数回行います。おなかに手を当てて腹筋に力が入っていないことを確認しながらやりましょう。

継続する事が大切なので無理をしないように少しずつ始めましょう。
気のせいだからとか、年のせいだからと見過ごされやすい排尿の悩みですが、原因を見きわめて症状に応じた早めの対策をとりましょう。

【看護師:長尾・竹内・速水・立石・阿部】

参考文献:「排尿」の悩みさようなら・尿の悩みを解決する本・排尿トラブル改善com骨盤体操