設計コンセプト
   
  二つの診察室  
   
  看護室  
   
  食事相談室  
   
  待合室  
   
  生理検査室  
   
  採血室  
   
  レントゲン室  
   
  処置室  
   
  廊下と天井  
   
  トイレ  
   
  受付  
   
  スタッフルームなど  
     

廊下と天井
 床材には厚さ40mmの杉材を使用した。体育館の床材に使用する硬い材質の櫻を使用しようかとも考えたが壁面の杉との調和を考え断念した。玄関で靴を履き替える形式にするなら柔らかい材質の杉でもよいと考えたが土足のままでは床が痛むのではないかと危惧した。

 杉材を使用している喫茶店(珈琲木の物語)が板野郡北島町にあったため見学にいった。オーナーに床の具合を伺ったがやはり傷は付きやすく、こまめに掃除をしたり塗料を塗ったりして対処されているとのことであった。床を拝見したが若い女性のハイヒール跡や傘の先で突いたような跡があった。生活習慣病の患者さんを対象とする私のクリニックではハイヒールを履いてくるような方は皆無であり、厚さ40mmの杉板を床材に使用するという提案を受け入れた。白木のままでは汚れが強いため、植物性の塗料オスモカラーを床面にのみ使用することとした。

玄関の天井
中央廊下
駐車場からみた玄関と廊下
 クリニック前の駐車場から正面玄関まではバリアフリーの基準に則り、角度は12分の1以下の勾配とした。また駐車場から受付前にかけても段差はまったくつけず土足のままで入るようにした。クリニック開設当初はその真新しさから玄関でわざわざ靴を脱ぎ、素足で入ってこられる方も散見された。スリッパへの履き替えを要求せずによかったと思っている。玄関には内外に二種類のマットを用意し、室内へのゴミ侵入を防いでいる。
漆喰と明かり取りの小窓
 できるだけ伸びやかな空間を確保したかったため、腰屋根をつけて天井を高くし、同時に換気・明かり取り用の小窓も設けた。最も高い天井高は5.6メートルに達している。高さ2.6メートル以上の壁面には天井を含めて漆喰をぬり、室内の明るさを保つようにした。
 検査室前とレントゲン室前廊下にそれぞれ一脚ずつ、患者さん及びご家族用の椅子をおいている。廊下の手すりは握りやすい丸棒型を選んだ。洋服などが引っかかることを避けるため手すりの両端は必ず90度曲げて壁に接続するようにした。
廊下の椅子
遊離端にしない手すり
     
段差のないレール
平坦なレール
 
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