設計コンセプト
   
  二つの診察室  
   
  看護室  
   
  食事相談室  
   
  待合室  
   
  生理検査室  
   
  採血室  
   
  レントゲン室  
   
  処置室  
   
  廊下と天井  
   
  トイレ  
   
  受付  
   
  スタッフルームなど  
     

待合室
 待合室に同じ格好の三人がけ椅子を並べることは避けようと考えていた。実際、三人がけ椅子に三人が座ることはほとんど無い。また三人がけ椅子は、座る人の個性を無視して、そこに坐れと無言で指示しているような印象が私にはあった。股関節や膝関節が痛くて深く座りたくない人は座面の高い椅子を好む。疲れていてざっくりと座りたい人は座面が低く広い椅子を好む。病院ではいろいろな人が椅子に座る。普通の椅子に加えて前述のような特徴をもった椅子を混ぜようと考えた。徳島市内何カ所かの家具屋さんをまわり、一つ一つ坐りながら購入する椅子をふやしていった。座面の高い椅子は別注文するしかなかったが、その椅子が大好きといってくれる患者さんはおり、よかったと思っている。

受付から見た待合室
待合室の椅子たち
  
いろいろな椅子
 因みに待合室の椅子はすべて窓側に向け、診察待ちの患者さんと来院した患者さんとの視線が交叉しないようにしている。また診察を終えて患者さんが帰られるときも、待合室の人に見られることはない。しかしすべて一人用の椅子のため、親しい人どうしが椅子の方向をかえて話し合っていることはある。

音響設備
 待合室でテレビのお笑い番組などが際限もなく流れている雰囲気を私は好きになれなかった。待合室で待つのは患者さんであるが、この点に関しては私の希望を優先させてもらった。私は待合室にテレビは置かず、自分たちで選んだCDを流すようにした。季節の移り変わりや時代の華、香りを感じることができるような曲を選び、5枚連続演奏のCDプレイヤーで終日ゆったりと流している。
 待合室に図書室を併設したかったが、スペースの関係から断念し、図書コーナーを作った。専門書を150冊近く常備している。待っている間に、興味のある本を読んでもらおうとした。壁に向かってゆっくり本を読めるスペースも作ったが、お待ちになる患者さんが増え、その場所も通常の待合いスペースに変更せざるを得なくなった。なお、ご希望であれば待合室にあるコピー機で必要な部分をコピーしてもらうようにしている。年輩のかた用に琉球畳みを敷いたスペースも用意した。
患者さん用コピー機
琉球畳のスペース
   
 
三好高校からの贈り物  
 
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