誰でも成功するダイエット方法はないの?

 そもそもダイエット(diet)とは「日常の食物、病人などのための規定食、特に太りすぎの人の減食等」を意味しますが、一般には減食という意味合いだけに使われているようです。ダイエットとは減量した体重を維持調整することを意味し、継続した食事療法をいいます。ですから、これなら誰にでもOKという単純な方法などはないということがわかります。個人の食習慣、生活環境、価値観が違っているので、方法も多種多様になるはずなのです。

ある研究によると、調査対象者のほぼ75%の方がダイエットを体験しています。その方法についてみると、最も適切であるべき食事療法が26%と非常に少なく、他の市販ダイエット商品、サプリメントなど、その他のダイエット法が74%を占めています。最近では朝バナナダイエットが有名になりました。一見簡単そうなダイエット法はメディアで取り上げられると、日本中を席巻してしまいます。対象食品はスーパーでも品切れ状態になりますが、数ヶ月もすると話題にものぼらなくなります。

さて、一般の人達がダイエット法に求める要件は、(1)楽なこと(無理しない)、(2)食事制限をしなくてもいい(たべて痩せられる)、(3)簡単にできる(手間がかからない)といったことのようです。エセダイエット法はたいていこれらの要件を含んでいます。話題のダイエット法が泡のように消えていくということは、個人にあわず、継続も困難な方法で、結局は効果的でないのです。

私たち管理栄養士がお勧めしているダイエットとは、プロボクサーが試合前の体重検査に合格するためのような一時的な食事調整ではありません。体重調整を継続維持していくものなのです。長年かかって蓄えてきた脂肪を簡単に減らすのは難しいことです。短期間で減らそうと思うところに無理があります。食事制限をして運動を併用すること。こつこつ、体脂肪の減量につとめること。こうすればリバウンドも起こさず健康的にやせられます。

当クリニックでダイエットに成功している方の共通点として挙げられることは(1)飽きずに継続ができること。(2)動機付けがしっかりしていること。(3)健康的である、などです。

これらを満たすには食事療法以外にはありません。食事療法でこつこつと努力されている方にすばらしい効果がでています。"急がば回れ"なのです。

さて、そのこつこつ継続するために効果的な方法として「はらすまダイエット」(腹をスマートに)という日立製作所グループが取り組んでいるダイエット方法を紹介します。ダイエットという行動を起こすには、できるだけ『具体的』な『数字』を挙げ、目標は『現実的』なものとし『時間』を区切ると賢く減量できる、と勧めています。

  1. 現在の体重の5%を目標に。
  2. 3ヶ月かけて減量を(90日)。
  3. 1日の減量目標は50ggから100g。
  4. 朝晩2回体重のチェック。
  5. 必ず記録。
  6. 体重が増えたときは言い訳を記入。
  7. がんばらない。無理なことはやらないが簡単にはあきらめない。
  8. 目標達成は自分へのご褒美を決めておく。

この方法といえども必ずしも万人向けではありません。ダイエット法としていろいろ検証してみましたが、誰でも成功できるダイエット法はないという結論になります。最小限の工夫で最大の効果を挙げたいと思われるでしょうが、画一的なものはありません。個人の食習慣をこつこつと改善していくしかありません。そしてこのことこそが、一度身につくと長続きする、最高のダイエット法なのです。人それぞれに一番フィットする方法が見つけるために、私と一緒に考えていきませんか? 

【管理栄養士:藤原】