その習慣が便秘になる?? 〜便秘でお困りの方へ〜

「快食・快眠・快便」・・・毎日の生活の中でもスムーズなお通じは重要なことの一つです。
便が出るまでには個人差があるので、排便後にスッキリ感があれば2〜3日に1回でも便秘とはいいませんが、基本的には毎日あるのが理想的ですね。便秘にお悩みの方にとって毎日の生活や食事などちょっとした工夫や習慣を改めることで「悩みの種」だった便秘が解消されることもあります。今回はその「便秘」についてお話します。

排便のしくみ〜お通じはたくさんの神経の連携プレイから

食べ物が胃に入ってくると、胃から大腸に信号が送られて大腸が反射的に収縮し便を大腸へ送り出そうとします。これを『胃・大腸反射』といいます。つまり食事をとることが便意を起こすきっかけとなり、特に朝食を食べると眠っていた腸が目覚めて働き出し、便意が起こるしくみになっています。
直腸に便が到達すると結腸に信号が送られて、結腸はさらに直腸へ便を送り込もうとします。これを『直腸・結腸反射』 といいます。直腸に便が到達すると、「便が到着しました!」という信号が大脳へ伝えられて便意が起こり、大脳は下腹部に向けて「いきみなさい」という命令を出し、直腸が収縮して肛門括約筋がゆるみ便が排出されるのです。 人間の体って実にうまくできていると思いませんか?

便秘の原因〜心当たりはありませんか?

便秘になる原因って考えてみたことはありますか? まずはなぜ便が出にくくなっているのか原因を突き止めてそれを取り除くことが大切です。

1.不規則な食生活
食事を抜いたり、食べる量が少なかったり、食事時間がまちまちだったりすると腸の働きも悪くなり便秘を招く原因になります。なかでも朝食を抜くと、先にお話した『胃・大腸反射』と『直腸・結腸反射』という排便システムが正常に機能せず、腸の活動が不十分になって便意が起こらなくなります。この状態を続けると自律神経の働きが鈍ってきて便意を感じなくなり、便秘が慢性化してしまいます。食事は3食きちんと食べること、特に朝食は抜かないこと、偏った食事は避けて穀類・いも・豆・野菜・海草など色々な食品から十分な食物繊維をとることが大切です。特に主食には玄米ご飯がお勧めです。

2.便意を逃してしまう・・・
便意が起こっても排便をしないという状態が度重なると、自律神経の働きが鈍くなって便意そのものを感じにくくなります。便意があるのに時間がなかったり、トイレに行くのを我慢したりすると便意がなくなってしまいます。便意を感じたらすぐにトイレに行きましょう。また、朝食の後は便意がなくてもトイレに行く習慣をつけ、排便のリズムを身につけましょう。

3.ほとんど運動をしない
運動不足になると排便に必要な筋肉が衰えて便を押し出す力が弱まります。自分の年齢や体力に合わせた適度な運動をするよう心がけ、普段の生活の中でも歩く機会を積極的につくりましょう。
また、お腹や腰のマッサージをすると大腸が刺激されて便意が起こりやすくなります。

【お腹のマッサージ】
手のひらでおへその周りに「の」の字を書くように時計回りにマッサージします。
強く押さず、なでるように10〜20回繰り返し、次に、指をそろえて指の腹に力を入れて同じようにおへそのまわりを押していきましょう。指の代わりにこぶしで押してもかまいません。
仰向けに寝た姿勢で行うと手や指に力が入りやすいのでマッサージ効果がアップします。毎朝、寝床の中で行ったり、トイレで座っている時に行ったりするのも効果的です。



【腰のマッサージ】
椅子や床に座って背筋を伸ばし、あらかじめ擦り合わせて温めた両手の手のひらで背中の下部から腰を上下にゆっくりとマッサージしましょう。腰が温まってくれば便意も起こりやすくなります。

4.ストレスをためない
精神的ストレスや緊張が生じると自律神経のバランスが乱れて排便のメカニズムも狂いがち
になり、便秘を招いてしまうことがあります。十分な休息をとり、自分にあった気分転換法を
見つけてストレス解消に努めましょう。   

最後に・・・

便秘は何らかの病気が原因で起こっていることもあります。先にお話したような生活や食事の
工夫をしてみても頑固な便秘にお悩みの方は一度主治医にご相談下さい。 
引用文献:「便秘」平塚秀雄著「便秘の改善・解消法」DANONE JAPAN」  

【看護師:速水・立石・竹内・長尾・阿部 】