続・下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)

藍色の風・第31号では、下肢静脈瘤の分類や症状についてお知らせしましたが、今号では、治療法や家庭でできる補助療法についてお知らせします。

下肢静脈瘤の治療法

(1)圧迫療法(弾性ストッキング)
伸縮性の強い弾性ストッキングをはき、外側から拡張した血管を圧迫し、下腿に血液がたまるのを防ぎます。圧迫療法として効果を上げるためには、適切な部位に適切な圧迫を加える機能と、足首から太ももに向かって連続的な圧迫強度の減少(くるぶしを1番強く圧迫し、膝・腿と進むにつれて圧迫が弱まるようにする)機能を兼ね備えたストッキングの使用が大切です。この圧力差が筋肉ポンプ作用を助けます。パンストタイプや片足用・ハイソックスなどの種類があり、弾性の強さも弱圧・中圧・強圧とわかれています。静脈瘤の症状、程度によりストッキングを選択する必要があります。当クリニックにも「試しばき」を用意しています。

(2)硬化療法
硬化剤を、弁の壊れた静脈に注入し、静脈瘤を引っ付けて閉塞させてしまう方法です。

(3)レーザー療法
静脈内に細いレーザーファイバーを挿入しレーザーを照射する方法です。最近では、網目状静脈瘤、クモの巣状静脈瘤などの細い血管の静脈瘤に対しての有効性が注目されています。

(4)手術療法
●ストリッピング
静脈瘤になった静脈を取り除いてしまいます。日本語では「静脈抜去手術」と呼びます。
●高位結紮術(こういけっさつじゅつ)
治療しようとする静脈瘤の根元を結紮(しばる事)します。ストリッピングを行わなくてもよい軽症の静脈瘤に行います。硬化療法の効果を助けるために併用することもあります。
   (徳島県内では徳島赤十字病院心臓血管外科で多数の静脈瘤手術が行われています。)
治療法は、静脈瘤の程度や症状にあったものが選択されます。また、手軽にできる補助療法として、次のような方法もあります。

補助療法

(1)冷たいシャワーで静脈瘤を冷やす。
長時間の立ち仕事が静脈瘤発生の大きな原因であることはお伝えしましたが、同じ立ち仕事でも、温度の高い環境で働く仕事の方が静脈瘤になりやすいと言われています。静脈が広がりやすいからです。冷たいシャワーなどで足を冷やすと静脈が収縮します。

(2)長時間立ったままでいない。
仕事柄、やむを得ず立ち仕事の多い方の場合には、時々足首を動かしたり、意識的に足踏みや膝の屈伸運動をしたりして、日頃からできるだけ足の血行を良くしましょう。

(3)座りっぱなしも静脈瘤の原因になります。
椅子に座っていても立っている時と同様、下肢は地面に対して直立しています。体の重みが直接下肢にかからないため、立っているよりはいくぶん負担が軽いのですが、座りっぱなしでも、血流が滞りやすくなります。デスクワークの方も立ち仕事の方と同じような工夫が必要です。

(4)足を心臓より高くしよう。
下肢が心臓よりほんの少し高ければよいので、寝るときは敷布団の下にクッションなどを入れて足が心臓より高くなるようにして下さい。目安としては、だいたい10センチ〜15センチ程度で下肢の血流の負担は十分軽減されます。ただ、足を高くすればするほど負担が軽くなるというわけではなく、あまり高くしすぎると、睡眠障害を起こすので注意して下さい。また、足の先だけ高くして、肝心のふくらはぎの部分が布団から浮いてしまうようになると、下肢がつっぱって、血流循環の改善は望まれません。布団の下に入れるクッションは、ふくらはぎ部分まで乗るくらいの大きさにしましょう。寝る時ばかりでなく、機会を見つけて足を持ち上げて、静脈の負担を取り除くのもよい方法です。

★手術療法は、医師にお任せする事しかできませんが、上記のような補助療法は、少し時間と場所があれば、手軽にできそうです。試してみて下さい。

参考文献:【あしの静脈瘤は治せる・下肢静脈りゅうを防ぐ・治す・ベノネット高須クリニック、東宝塚さとう病院各ホームページ】 

【看護師:長尾・竹内・速水・立石・阿部】