高血圧学会のポスターセッションで発表しました。

福岡県で開催された第33回日本高血圧学会に参加しました。今回のテーマは「高血圧症の包括的なリスク管理を目指して」ということで、医師はもちろんのこと、管理栄養士、看護師、薬剤師など高血圧診療に携わる様々な職種の方の参加がありました。当院からは「看護師・管理栄養士が積極的に参画する高血圧診療」と題して発表しました。看護師による問診や生活調整、管理栄養士による継続した食事相談、臨床検査技師の諸検査など、医師のみならず、多くの職種が協調して関わる高血圧診療で患者さんの生活習慣が改善され、降圧剤および通院も中止できた方が6年間に46名に達したという成果を述べました。

高血圧治療の基本は「食事」と「運動」です。特に減塩と減量が大切で、今回の学会でも減塩についてのテーマが多数あり、減塩弁当や減塩製品の紹介がありました。ふつうに塩分を減らすと味が薄く感じますが、Na(ナトリウム)をK(カリウム)に変換するとおいしさも損なわれず、市販の練り製品などでもその商品化が進んでいるようです。(カリウム製品は腎臓病がある方には注意が必要です。)また、広島県の呉市では医師会がヘルシーグルメランチレストランという活動を行っており、プロの料理人が考案した減塩、ヘルシー料理を地元のレストランで食べられるそうです。

現在、高血圧の患者さんは約4000万人と推定され、これは成人人口の2分の1に相当します。驚くことにその中で治療を受けられている方は約半分しかいません。高血圧は自覚症状がない方が多く、見逃されやすい疾患ですが、動脈硬化や虚血性心疾患、脳卒中などの重篤な病気の原因になります。まずは自分の血圧がどのくらいかを知るために、家庭で血圧を測る習慣が大切です。そのことをお知らせするためには、一般の方に関わりやすい地方自治体の保健師や調剤薬局の薬剤師、そして私どものような外来看護師の役割が重要だと感じております。今後も他職種との連携を取りながら、今回の学会で学んだことを今後の診療に活かしていきたいと思います。

最後になりましたが、学会参加に際し、ご指導ご協力いただきました院長をはじめスタッフの皆様に感謝申し上げます。

 

【看護師:竹内 管理栄養士:藤原】