徳島大学医学部脳神経外科 里見 淳一郎先生


【左:坂東 右:里見 淳一郎先生】

今回は徳島大学医学部脳神経外科 里見淳一郎先生をご紹介いたします。当クリニックの患者さんを何人か先生に紹介し、その仕事ぶりに感心していました。先日、里見先生の『頸動脈狭窄病変に対する診断及び治療』という講演を聴く機会がありました。講演後にいろいろとお話しする中で、さらに先生の人となりがわかり、『藍色の風』にもご登場いただいた次第です。

先生は香川医科大学を卒業後、徳島大学医学部脳神経外科に入局され、その後各地の脳神経外科で研鑽を積まれています。カナダのトロント大学に留学されたり、脳卒中診療で有名な秋田県立脳血管研究センターにも勤務されたりしています。私とは赤十字病院で一緒に仕事をした時期があります。

循環器領域でのカテーテル治療はよく知られていますが、里見先生は通常の脳外科手術だけでなく、脳外科領域のカテーテル治療も得意にされています。先日の講演でその内容を伺いましたが、ある患者さんにカテーテル治療を行うか、通常の手術を選択するか判断に迷うとき、これまでの世界中の診療成績を参考にしながら、公平に判断していることがよくわかりました。自分にとってAという治療方法が得意なとき、どうしてもそのAという治療方法を選択肢しがちですが、いわゆるエビデンスをもとに、Aがよいのか、Bが良いのかをきちんと選別して判断されている様はさすがでした。脳神経外科疾患に関して、安心して診療してもらえると思います。

また、先生の所属する徳島大学病院には脳卒中センターという組織があり、24時間365日、いつでも脳卒中の患者さんを受けいれています。ここでは脳神経外科医、神経内科医が診療に当たり、放射線科医や放射線技師が協力し、最新の画像診断がいつでも行える体制が組まれています。患者さんがこの脳卒中センターを直接受診するということはできませんが、開業医の方から紹介状や電話依頼をすれば、自治体などの救急車で脳卒中センターに搬送してもらうことは可能です。ちょっと相談のためにこのセンターを受診したいというようなことはできませんが、明らかな脳卒中の症状があり、すぐに治療が必要な場合には、脳卒中センターに診療を依頼することはできます。永廣信治教授以下、たくさんの専門医が控えており、徳島の脳卒中診療に関しては非常にありがたい存在です。皆さんが脳卒中にならぬよう、当クリニックでは努めていますが、もし脳卒中を発症したら、お願いしたいと思っています。

 【坂東】