防災訓練に参加して

今年1月20日(日)に、南海大地震発生を想定した市民参加型の防災訓練が八万地区で実施されました。「地区の開業医と看護師が救護所で被災者の応急手当をする」という設定でした。八万地区の救護所は八万中学校など3カ所となっていますが、地域により設定されている救護所は異なるようです。訓練の前に常備されている救急セットを確認しましたが、中身を見てあまりの少なさに驚きました。多種類の物品は用意されていましたが、点滴は3本しかなく包帯やガーゼなどの衛生材料は十数人の処置でなくなってしまう少なさでした。

医師会の担当者からは「医師や看護師が救護所に駆けつける時、自院からできるだけたくさんの医療器具を持ってくるように。」との指示がありました。しかし、災害時には当院も被災しており、運よく持ち出せても車が使えない可能性が高く、当院からの物品搬送は不可能だろうと感じました。医療従事者だけが救護所に集まっても、医薬品がなければ行える医療行為に限界があります。

当日の訓練ではいろいろな病状に設定された被災者が搬送されてきました。しかし救護所には次第に重症の方が集まり始め、その方々を救急病院に搬送する手段が限られていることに気づきました。災害時には倒壊した建物などによって道路が寸断され、救急車が被災地へ到着できない事態となるでしょう。1995年の阪神淡路大震災の時、周辺都市から被災した神戸市へ向かうのに、約20kmのところを5時間かかった例もあります。普段なら1時間ほどで到達する距離でも、災害時には5〜10倍の時間を要したそうです。

災害時に多数の傷病者が出た場合、受け入れる病院の医療体制の限界、傷病者の搬送困難など、人命救助には過酷な条件が重なることを私たちが十分理解し、さらなる対策を立てておく必要があると感じました。また、応急処置は医療従事者でなくとも、住民の方が対応できることも多く、「骨折は添え木で固定する。切り傷は出血がとまっていればそれほど悪化はしない」など、日ごろから応急処置に関して、興味をもっておかれるのも大事なことと思います。

【看護師:竹内】