「シチュエーションに感謝するんですよ!」

車で走るとき、時々ラジオをつけています。ある晩、NHKの「わが人生に乾杯」という番組にソウル五輪金メダリストの鈴木大地選手がゲスト出演していました。鈴木選手は千葉県出身ですが、オリンピックのレース前に、長嶋茂雄さんが同郷の誼として訪ねてきたそうです。その時鈴木選手は次のような質問をしています。「長島さんはここぞというときに素晴らしい活躍をされました。普通の人ならあがったり、緊張したりしてうまくいかないことが多いのに、長島さんにはどんな秘訣があるんですか?」「それはね、自分が置かれたシチュエーション(状況)に感謝するんですよ。」との返事があった由です。

長島さんといえば天覧試合での逆転サヨナラホームランなど、数々の劇的な場面の立役者として有名です。私は長島さんを陽気な天才と思っていましたが、このような思いを基礎にもった人とは考えてもいませんでした。

また、昔、次のような文章を読んだことがあります。孤児院に住む女の子にクリスマスプレゼントが届きました。開けてみると、中身は松葉杖だったのです。身体のどこも具合の悪くない元気な女の子です。このプレゼントは何かの間違いだろうと考えたり、送った人の意地悪だろうかと疑ったりします。しかし最後にたどり着いた結論は「そうだ、私はこの松葉杖を使わなくてもいいんだ。その有り難さに感謝しなければ…」と考えて松葉杖を箱にしまい込んだというストーリーでした。
ただ単に感謝するだけで終わるなら世の中の問題解決には繋がらず、発展性がありません。しかし行動や思想の根本には感謝の念がどっしりと存在していることが必要であると感じます。
「自分のおかれた状況に感謝する。」できるようでできないことだと思います。

【坂東】