トロンボテストってどんな検査??

当クリニックでは、次回の受診予約をされた際、『受診予約の覚え書き』と書かれた紙をお渡ししています。その予約内容のなかに、"トロンボテスト"という項目があります。今回は"トロンボテスト"についてお伝えします。

■何のためにトロンボテストをしているの?
当クリニックでは、経口抗凝固薬*(ワーファリンなど)による効果をみるために検査をしています。* 経口抗凝固薬は、血液が固まる働きを抑える薬です。

■どのくらいの値がよいの?
薬の効果は個人差があり、疾患・病態・年齢などにより治療の適正域が異なるため、患者さんの状態に応じて医師が適正域を決定します。
(経口凝固薬を服用されていない方の値は、約70〜130%の範囲です。)

■検査結果はどのくらいでわかるの?
検査は当クリニック内にて行っていますので、採血後5分位で結果がでます。その結果に基づき、診察の際にワーファリンの量が決定されます。

■経口抗凝固薬はどのような人が飲むの?
下記の疾患がある場合に処方されます。
・機械弁置換術後・心房細動・深部静脈血栓症・肺塞栓・機能の低下した心筋梗塞 など

経口抗凝固薬の効果をみる検査は"トロンボテスト"以外に、"PT―INR(プロトロンビン時間国際標準比)"もあります。当クリニックでは"トロンボテスト"を用いていますが、施設によっては"PT−INR"で効果をみているところもあります。検査項目によって、結果の表記の仕方が異なります

    
トロンボテストは数字が小さいほど、INRは数字が大きいほど薬の効果が強いということです。

抗凝固薬としてよく使用されるワルファリン(品名:ワーファリンなど)は、肝臓でのビタミンKに依存した凝固因子の働きを抑えて、血液を固まりにくくします。そのため、ビタミンKが多く含まれている食品を多く摂取すると、薬剤効果が減弱します。逆に薬が効きすぎると、皮下出血・鼻出血・歯茎からの出血・血尿などの症状がでることがあります。出血が続く場合や身体に異常を感じた場合はすぐに主治医にご相相談下さい。

【臨床検査技師:宮原・田中】