家庭血圧を測っていますか?

最近は自動血圧計の普及により、家庭で簡単に血圧が測れ、またその値が重要視されています。当院でもたくさんの患者さんに家庭での血圧測定をおすすめしてきました。(測定方法は『藍色の風創刊号』をご参照ください。)開業して3年半が経ちましたが、家庭での血圧測定は高血圧治療に非常に重要であることを私達も実感しています。それでは今回は家庭で血圧を測るとどのようなことがわかるのかをお話しします。

★自分の受けている高血圧治療の重要な指標となります。

家庭血圧測定の結果から、降圧剤を服用する必要があるかどうか、また、現在治療中の方は今の薬の効き具合はどうかといったことを確認することができます。降圧剤の種類はたくさんあり、量や組み合わせも個々によって異なります。また、血圧の降圧目標値(どのくらいまで血圧をさげるのがよいか)は年齢や合併症によって個人差があります。

外来での降圧目標(高血圧治療ガイドライン2004より)

若年・中年者 130/85oHg未満
高齢者(原則として) 140/90oHg未満
糖尿病・腎障害患者 130/80oHg未満

★どのタイプの血圧異常かがわかる

病院での血圧は高いが家では正常の場合を「白衣高血圧」、逆に病院では正常なのに家では高い場合を「仮面高血圧」と呼んでいます。血圧はその時の状況や時刻、緊張・イライラ・不安などの心理的な要素にも影響されます。そのためリラックスした状態で、毎日同じ条件で測れる家庭での血圧が、高血圧診療では重要視されています。

また、一日の中で朝は血管が破れたり血栓のできやすい時間帯であり、特に朝に血圧が高い「早朝高血圧」は脳卒中や心筋梗塞などを起こす引き金になります。

★家庭で血圧が変動する理由は?

普段は安定している血圧が急に上昇することがあります。お話を伺うと「心配事があって眠れなかった。」「誕生日で外食した。」「その日はすごく寒かった。」など、普段の生活でも血圧を上昇させる誘因はたくさんあります。睡眠不足や心配事などのストレス、水分や塩分の過剰摂取、薬の飲み忘れなどが血圧上昇を招きます。日々の活動では無理をせず、規則正しい生活を心がけましょう。

★指示通りの服用を!

『藍色の風3号』にも掲載していますが、血圧は気温によって変化します。これからの季節は気温が上昇することに伴い、血圧が下がってくる可能性があります。また、自覚症状としてふらつきがあったり、体がだるくなったり眠気を感じたりすることがあります。その時に自己判断で薬を中止すると急激に血圧が上昇することがありますので必ず主治医に相談してください。

―――ワンポイントアドバイス―――

★自動血圧計は上腕式を

手首や指で測るタイプの血圧計は簡便ですが、上腕式血圧計と比べると測定値に差が生じることがあります。より正確に測定するために二の腕(上腕)で測るタイプの血圧計での測定をお勧めしています。最近は電気店や薬局などで多種類の自動血圧計が販売されています。実際に手に取り、使いやすさを比べてみて選んで下さい。
また、自宅で使用されている自動血圧計を当院にお持ちください。年に1〜2回、水銀血圧計と測り比べて正確に測れているか確認しましょう。

★測った血圧は記録しましょう!

測定した血圧は大切な情報です。血圧手帳に記録して診察時に主治医に見せて下さい。血圧手帳は無料でお渡ししています。遠慮なくスタッフにお申し付け下さい。 

★飲み忘れ対策にピルボックス(薬の入れ物)

飲み忘れがないかどうかの確認に、薬を分けて入れておけるピルボックス(薬の入れ物)を利用するのも飲み忘れ対策の一つの方法です。最近は100円ショップでも購入できます。
血圧測定に関する各種のパンフレットもありますので、ご希望の方はお申し付け下さい。

【看護師:竹内・速水・立石・長尾・阿部】