高血圧症で薬を中止できた人達

他の病院や当クリニックで、高血圧症と診断され、血圧を下げる薬を飲んでいた人のうち、3年間で11名の方が薬を中止することができました。食事相談によって体重が減少したことが最も大きな要因です。看護師の説明する方法で自宅血圧を計測し、体重の減少程度と自宅血圧の推移を観察して降圧剤の中止に至りました。

具体例を挙げます。60歳女性です。高血圧と診断され近くの病院で降圧剤が処方されていました。検診を受けたところ、「心筋梗塞の跡がある」と言われ、当クリニックを受診されました。いろいろな検査をしましたが、心筋梗塞はなく、そのまま血圧のコントロールを続けられたらよいでしょうと説明しました。しかし身長が155cmで体重が66.4Kg。重すぎます。食事の調整による減量をお勧めしました。同時に家庭血圧の計測方法も説明し、結果を拝見することにしました。食事相談は毎月1回のペースで行いました。体重、自宅血圧とも順調に低下し、半年後には血圧も120前後、体重は59Kg になりました。近くの病院では継続して薬をもらっていたのですが、担当の先生は体重が減少し、外来血圧が下がってきたのをみて、降圧剤を減量し、最終的には中止してくれました。

『藍色の風』第三号で書きましたが、「高血圧の薬を飲み始めたら一生続けなければならない」というのは誤りであることがおわかりいただけると思います。ただ、すべての高血圧症の方の薬を中止できるというわけではありません。高血圧症により動脈瘤ができていたり、心臓の筋肉が厚くなっていたり、また腎臓の機能が低下していたりする場合等には、薬の助けが必要です。しかしその場合でも体重を調整することで、少ない薬で維持することはできるようになります。

誤解があってはいけないのですが、私は薬を毛嫌いしているわけではありません。薬を開発した人や製薬会社の努力には敬意を表します。また薬の効能には本当に有り難く思っています。そのような貴重な薬を適切に使いたいだけなのです。

さて、私がよく使用している降圧剤にカルシウム拮抗剤(以下CCB)とアンジオテンシン受容体拮抗薬(以下ARB)というグループの薬があります。ぞれぞれの薬の普通成人量1錠あたりの値段はカルシウム拮抗薬が80円 アンジオテンシン受容体拮抗薬が170円程度です。現在50歳の人がこういった薬を中止できた場合、生涯にわたる薬代の削減額がいくらになるか計算してみました。  

平成17年の男性平均寿命が79歳、女性が86歳ですので、50歳の男性はあと29年、女性は36年間生きることになります。CCBを中止できた50歳男性は80円×365日×29年=846,800円 女性は80円×365日×36年=1,051,200円の医療費削減になります。ARBを止めることができた50歳男性で同じように計算すると1,799,450円 女性は2,233,800円になります。ちょっとした車が買える値段です。これらの薬代以外に、病院の処方箋料、薬局の薬剤処方料などもあり、実際はもっとたくさんのお金を減らすことができます。また薬を完全に中止できなくても、1剤を減らすことで非常に大きな医療費削減効果があることがわかります。

銀行にお金を預けても、このような利益が得られるわけでもありません。食事の調整というもっともお金のかからない方法でこれだけの倹約ができます。食事相談の重要性を再度考えていただければと思います。

【坂東】

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『神経内科』ってどんな診療科なのでしょう?


西田善彦先生(診察室で)

精神科、心療内科、神経内科、よく似た名前で混乱されている方も多いと思います。
今回は徳島で積極的な神経内科診療を続けている伊月病院院長西田善彦先生を訪ね、いろいろと教えていただきました。
西田先生と私は徳島大学医学部の同級です。久しぶりにお目にかかった先生は学生の時よりはいくらか体重が増え、恰幅が良くなっていました。

まずお尋ねしたのが神経内科ではどのような病気を扱うかということでした。大きく分けて三つに分類されるとのことです。ひとつめは神経難病といわれているパーキンソン病、筋萎縮側索硬化症、脊髄小脳変性症というグループです。パーキンソン病以外は余り聞き慣れない病気だと思います。パーキンソン病は1,000人に1人の割合で発症し、毛沢東、ヨハネ・パウロ二世、モハメド・アリ、三浦綾子、岡本太郎などの著名人が罹患したことで知られていますが、きちんと診断されていないことも多い由です。例えばパーキンソン病の症状である手のふるえを「単なるふるえ(本態性振戦)」として放置されていることもよくあるとのことでした。また、物の臭いがわからなくなることも、パーキンソン病を疑う大事な徴候であり、見過ごされていることがよくあると教えてくれました。皆さんの中にもこのような症状の方はいないでしょうか?

二つめのグループが脳梗塞や脳出血など、脳卒中後の症状への対応です。会話が不自由になる失語症では言語訓練を積極的に行っているとのことでした。

三つめのグループは原因がはっきしりない手足のしびれ、片頭痛、また肩こりなどの症状を訴える人達です。どこの病院に行っても「よくわからない。たいしたことはない。気のせいでしょう。自律神経失調症です。」などといって相手にしてくれない人達の中から、何らかの神経が障害されているのではないか?といろいろと調べていく由です。神経は全身に分布しているので、「その症状がどこかの神経の障害によって発生しているのではないか?」と考えて調べていくと言われていました。こういった点に神経内科の特徴が見られます。精神科や心療内科が患者さんの症状を「解釈」するのに対して、神経内科は「症状の原因として、障害されている神経の場所を探す」診療科なのです。

またこれら三つのグループ以外に認知症の診断も担当しています。ただし、認知症を、その人の人生の最後まで神経内科が診ていくことは医療制度上も困難です。「認知症があるかどうかの診断はきちんとしています。」と言われていました。

神経内科が扱う病気はおおよそ以上のようなものですが、一人の診療には時間がかかるため、30分に3人の予約枠で、火・水・木・土曜日の午後に神経内科外来診療があります。受診を希望される方は紹介いたしますのでお申し出下さい。

(インタビューの後で…)神経内科外来廊下には当クリニックと同じように、座面の高さが異なる椅子が用意されていました。また、座面の高い椅子ほど、診察室入り口近くに置くという配慮もなされており、感心しました。

西田先生の趣味は蝶の採集です。学生の時には蝶の採集のために、南の島まで行かれていたのを覚えています。しかし最近は忙しくて「それは無理」とのことでした。また大のドラゴンズファンです。お会いしたのはセリーグ優勝直後でしたので、非常に喜んでおられました。川上憲伸投手はがんばりましたが、残念ながら日本一は逃してしまいました。来年こそは!と応援されることと思います。

【坂東】

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★お知らせ★ 救急蘇生法講習会

下記の日程で、救急蘇生法講習会の講習会を行います。是非ご参加ください。

11月30日(木曜日) 午後2時30分から
場所: クリニックセミナー室

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『衣服内気候』を知って快適な冬を!

これからの時期、風邪をさけるために「ゾンッ」としないことも大切です。冬に暖かく過ごすための衣服について考えてみましょう。

人が裸で快適に過ごせる気温は28℃〜32℃という範囲に限られています。そのため、それ以外の気温では衣服を着て体温を調節しています。衣服を着たときに衣服と皮膚の間にできる空間の温度や湿度を「衣服内気候」といいます。人が快適と感じられるのは衣服内気候が32±1℃ 湿度が50±10%の狭い範囲にあることがわかっています。

冬に寒さを避けるための、衣服内気候の調節方法をお話しましょう。

  1. 重ね着をすることで衣服と人体の間に静止状態の空気を増やし、熱を保持することで洋服の保温性が高くなります。ただし、5枚以上の重ね過ぎは衣服表面積の増大により放熱量が増す場合があり、不利になることがあります。また、衣服間の摩擦により、かえって動きにくくなるので注意が必要です。平安時代の十二単(じゅうにひとえ)などは女性にとって快適では無かったのではないかと思います。
  2. 人の体は部位によって温度が異なります。体の中心部は37℃ですが、快適な状態の皮膚表面は33〜34℃です。体熱で温められた体表の空気は上方へ、這うような自然対流をおこします。このため衿、袖口、裾などの開口部での空気の出入りを抑える工夫が必要です。首に巻くマフラーは効果的でしょう。肩、肩甲骨部、乳房部、大腿前面部などの体温の高い体幹部を中心に保温するのも上手な方法です。
  3. 外部からの風や水を遮断します。風の強い野外では通気の大きい編み物を外衣として着用すると、衣服近辺の空気が常に入れ替わるため衣服内気候の温度が低下します。通気性の低いナイロンの様な素材を外衣として使用するとよいです。雨や雪などが衣服内へ浸透するのを防ぐ、撥水性合成繊維で衣服内気候を保つ事も大切です。
  4. 体の汗をすばやく肌から遠ざける事も必要です。吸着熱の大きいウールや絹の素材を用いた肌着を素肌に着用し、発汗を吸収するようにします。汗をかいたままで放置すると水は熱伝導率が大きいので空気が水と入れ替わり、体温の急激な低下を招きます。汗をかいたときには肌着を着替えることも必要です。
  5. 薄くても暖かい保温性素材の開発が進んでいるので上手に利用します。低い衣服内気候を快適域まで上げるには、断熱性の高い空気を多く含む毛皮、羽毛、羊毛などを利用します。ただし、きれいなダウンジャケットを着ていても、インナーを使用しなければ適切な衣服内気候が得られないことは知っておく必要があります。

昔は季節に応じて衣服などで体温調節をするのが普通でした。着物は前開きで着脱が簡単であり、開口部が多く、夏は涼しく冬は寒さに応じて重ね着もできます。しかし近年、生活空間は冷暖房の普及や住宅事情の影響で次第に季節感が薄まってきています。これからの地球環境を守る意味でも、私達が可能な範囲で衣服を利用し、体温調節をする工夫が必要であると感じています。

【看護師:立石・竹内・速水・長尾】

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血液の色?!血管の色?!

採血の時によく聞かれる質問があります。今回はそれについてお答えしたいと思います。

『血の色が黒くて、悪くない?』
採血した血液が赤く見えるのは、血液の中の赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)が赤いためです。しかし、このヘモグロビンは酸素をくっつけている時と、酸素を放した時とでは色が違います。酸素とくっついた時は鮮やかな赤色、放した時は黒っぽい赤紫色になります。体中に酸素を運ぶ働きをしている動脈の血はきれいな赤色で、酸素をくばり終えた静脈の血は黒っぽい赤色をしています。採血検査は静脈から行うので黒く見えるのです。また、やや白みがかった注射器や採血管に入ると、さらに少し悪く見えるかもしれません。同じ静脈血でも当然、色に個人差はあります。黒く見えても心配はしないで下さい。逆に、きれいな赤色をしている時は貧血がある時、喫煙者の採血の時に見られます。一酸化炭素と結びついたヘモグロビンは赤く見えます。喫煙者の血液中には一酸化炭素と一緒になったヘモグロビンが多いのでしょう。ちなみに、ヘモグロビンが一酸化炭素とくっつく力は酸素の300倍もあります。しかも、くっついたらなかなか放しません。このため体は酸素不足になります。余談ですが、喫煙者の場合血管が収縮していて、採血もしづらいです。

さて、採血した血液が黒くもなく、赤くもなく、朱いピンクに見える事があります。中性脂肪(トリグリセライド)の値が非常に高い時にみられます。まるで絵の具の赤と白を混ぜたようです・・・このような血液は採血後しばらくすると上面に白っぽいドロッとした油のような物が浮いています。

採血検査の最終結果は検査の数字が出てから判断されます。見た目の色で心配しないでください。

『血管って青い?打った所が青くなった!』
血管の中を流れる血液は赤いのに肌の表面からは確かに青く見えます。皮膚を通して見える血管は全て静脈なので、静脈が青く見えているのです。しかし、静脈の壁が青いのではありません。手でおさえて血流を止めると青色が消えるので、それがわかります。静脈の壁の色は白に少し黄色が混じったような色合いです。その中を黒っぽい赤紫の血が流れるため、壁の白い部分や皮膚の真皮を通して赤い成分は乱反射してしまい、青い成分だけが波長の関係で強く透過して見えるのです。また打ち身や採血後に青くなった時も同じです。血管(静脈)から少し漏れた血液が皮膚の真皮を通して青い色として見えるのです。この場合はゆっくり細胞に吸収されてなくなるので、色も消えていきます。

『採った血はどれくらいでできる?』
採血の量は検査の内容によっても違いますので、患者さんによっても異なります。当クリニックでの採血量は、主に約2ml〜10mlです。成人の場合1日に赤血球は20ml以上回復しますので、通常の採血の場合は1日で十分回復します。

【臨床検査技師:田中・宮原】

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エコノミークラス症候群

この夏、ユナイティッドエア社(UA)の飛行機にのったとき、エコノミークラス症候群予防の番組が座席前の液晶テレビで流されていました。何年か前の搭乗では非常に簡単な呼びかけでしたが、今回はかなり詳しい方法が示されていました。よくできたイラストですので、転載してお知らせします。

エコノミークラス症候群というと、飛行機にのったときだけ注意すればよいとの誤解を与えるため、最近は「旅行者血栓症」という用語も使われます。飛行機旅行に限らず、バス旅行や自家用車での旅行でもお試し下さい。なお、「足のむくみを避ける法」というパンフレットを私も作成しています。パンフレット置き場においておきますので興味のある方はお読み下さい。          

【坂東】

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血液データであなたの嗜好が分かります!!

このタイトルは少々大げさですが、まんざらウソでもありません。今年も健康診断はお済みでしょうか? 採血結果はご覧になりましたか?
実は、血液データを見ると、その方がだいたい何を食べているのか、どういう嗜好なのかは予想がつきます。あなたの体はいったい何からできていますか?お菓子でできた体ですか?おかずでできた体ですか?ごはんからできていますか?砂糖から?油から?肉から?アルコールから??? 

例えば1日1400キロカロリー摂取する方が、朝食はごはんとおかずで350キロカロリーの食事、昼食にはあんパン2個(700キロカロリー)、夕食もごはんとおかずで350キロカロリーの食事としました。この食事内容のカロリーはあっていますが、1日のカロリーの半分をお菓子(あんパン)が占めることになり、このような食生活が続くとこの方の体はお菓子(あんパン)でできた体となります。こういう方の血液データにはたいてい、中性脂肪が高値となって表れます。このように何かに偏って食べた結果が採血の数字として表れます。人の体は食べた物でつくられていますから血も同じこと。お菓子の食べ過ぎが砂糖の食べ過ぎに繋がり、体で処理しきれなくなって、余った砂糖が中性脂肪に変わって蓄積されたわけです。お菓子を例に出しましたが、これだけではありません。アルコールも油も、人によれば野菜や果物も分量を間違って食べるとそれが異常値となって示されます。その分量は個人によって違いがあります。例えば塩分をたくさんとっても血圧に影響しない方もいれば、少し摂りすぎただけで上昇してしまう方もおいでます。甘い物をいくら食べても糖尿病にならない人もいますね。また、たくさん食べても年齢が若いと、臓器も若いので処理能力が優れているため発病しにくいです。でも、年齢を積み重ねるにつれて耐えきれなくなって症状としてでてくるのでしょう。ですから、去年は大丈夫だったのに・・・となるわけです。どんな体でも使い傷みはありますから大切にしてください。

人の体も車や機械と同じです。車の栄養にはガソリンと軽油があります。間違って入れるとスムーズに動きませんし、また少なくなるとエネルギー切れになります。そして、車のいい所は、燃料の入れすぎができないことですね。人の口にはついつい入りすぎる方が目立ちます。人の場合は、ガソリンか軽油かなんて簡単な物ではありませんが、ご自分の体にあった燃料(食べ物)を上手に選んで補給したいものです。また分量も過不足なく燃費(代謝量)や故障部位(病気)にあわせて調節しなければなりません。この燃料を患者さんの嗜好や環境にあわせて食品や料理に置き換えるのが私の仕事です。

【管理栄養士:東】

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季節を感じる食事(11・12月)

忙しい日々でしょうが、せめて行事の時は家族そろって食事を楽しみたいものです。家族団らんで健康な心と体を取り戻して下さい。また、伝統的な食事、食文化を次の時代にお伝え下さい。

◎12月22日 冬至
冬至かぼちゃを食べると風邪をひかないといい伝えがあります。冬至かぼちゃとは、夏が旬のかぼちゃを風通しのいい所に置いて保存したもので、冬場に不足しがちなビタミンAの補給にしたといわれます。

◎12月25日 クリスマス
ローストチキンとクリスマスケーキが定番メニューですね。

◎12月31日 年越しそば
細く長いそばにあやかり、寿命や家運を伸ばそうとする縁起料理です。
◆ 忘年会の季節です。飲み過ぎ食べ過ぎで体調を崩されませんように。

【管理栄養士:東】

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お知らせ

高血圧教室

11月27日(月曜日)午前10時30分〜12時30分まで。

お餅つき

12月16日(土曜日)午前中。
※(玄米のもち米を使用したお餅つきです。)

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インフルエンザの予防接種

昼間はぽかぽか陽気で気持ちいいですが、朝晩は冷えてきましたね。皆様、体調を崩されてないでしょうか?
寒い季節になると、風邪や“インフルエンザ”が流行しやすくなります。インフルエンザの予防接種に際して、徳島市では高齢者に対して次のような公的補助制度がありますのでお知らせ致します。

  • 実施期間は平成18年11月1日から平成19年1月15日まで。
  • 65歳以上の方で徳島市に住民票のある方は、1,800円でワクチン接種が可能です。補助券は徳島市の健康診査受診整理券(表紙が黄色です)と一緒についておりますのでお持ちになって下さい(補助券は赤色です)。
  • 60歳以上65歳未満の方でも1,800円で接種できる場合があります。少し難しいですが。

下記の項目に『当てはまるかな?』という方は、診察時に院長にお申し出ください。手続きに2〜3日ぐらいかかりますが、ご自宅に健診センターより補助券が届きます。

★心臓機能障害のある方・・・
◎安静時又は自己身辺の日常生活活動でも心不全症状、狭心症症状又は繰り返し意識消失発作が起こる方。この項目に該当し、なおかつ一定の心電図変化が認められることが条件です。(該当する心電図変化の有無に関しては院長にお尋ね下さい)。
◎人工ペースメーカーを装着している方、人工弁移植、弁置換をされた方。 

★じん臓機能障害のある方
採血上の基準がありますが、血液透析や腹膜透析を行っている人、または近い将来に血液透析や腹膜透析を必要とする方が対象です。

★呼吸器機能障害のある方
呼吸機能障害のため、歩行がほとんどできない人が対象です。

★ヒト免疫不全ウィルス(エイズウイルス)による免疫の機能障害のある方
エイズウイルスに感染し、血液検査の基準を満たす方、または介助無くしては日常生活が不可能な方。

各市町村でも、インフルエンザワクチン予防接種を行っております。接種料金は、各市町村・各医療機関でも異なりますので、お調べになられたらと思います。インフルエンザの抗体ができるまでに、1週間くらいかかりますので、風邪をひかれていない、お元気なときに予防接種を受けられる事をお勧めします。

【受付事務:湯浅・美馬・谷口】

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庭の草をベニヤ板で覆ってみました。

庭の草抜きをしていて、植木鉢の下などには草が生えていないことに気づきました。たくさんの草を目の前にして、庭の草をベニヤ板で覆ってみると抜きやすくなるのではないかと思い、試してみました。
踏みつけられるのに慣れている雑草だけあって、1週間の遮蔽でも草は青々としており、まったく動じませんでした。しかし10日目くらいから弱り始め、2週間では完全にもやしのようになりました。しめしめと思い刈り込みにかかったのですが、草の根はしっかりしており、その根を抜く労力は元気な雑草を抜くのと変わりませんでした。草はこまめに抜けということなのでしょう。

【坂東】

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もっと利用しよう! 

今年4月に徳島県立障害者交流プラザが南矢三町にできました。障害のある人、ない人が一緒に活動して交流を深めるノーマライゼイションの理念で運営されています。

10月のある日、この施設を訪ねてみました。場所は田宮街道を挟んで徳島工業高校の反対側にあります。街道の入り口から南側に進むと、すぐに三階建ての真新しい施設が目につきます。玄関を入ると三階までの吹き抜けのホールがあり、右手に案内係の女性がおられました。
体育館やトレーニング室など、いろいろな設備があるのですが、イチ押しは25メートル6コースの温水プールです。

使用料は一般が2時間まで600円で、65歳以上では半額です。障害者の方は無料です。私が訪ねたときは閑散としており、手持ちぶさたな職員の方が目立つ状況でした。施設名が「障害者交流プラザ」となっているため、障害のない人は利用できないと思われているフシがありますが、そうではありません。障害のある人を隔離するのではなく、障害のない人、障害のある人が一緒に活動することが大切だという考えで運営されています。高い会費を払ってスポーツジムに行くのではなく、こういった施設を利用することもお考え下さい。

【坂東】

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飛行機旅行のトリビア

日本からパリにジャンボジェット機(ボーイング747型機)が飛び立つ時の重さは約370トンで、そのうち積載燃料の重さは約160トンあり、離陸時の燃料は機体重量の40%少々を占めます。着陸するときにはガソリンを大量に使用しているので機体の重さは約235トンに下がっています。このくらい身軽にならないと、着陸時の衝撃で機体を支える脚と車輪とが大破する由です。このような事情があるため、離陸後乗客が狭心症の発作を起こして、すぐに引き返して欲しいと望んでも不可能であり、1−2時間飛行して燃料を消費して、機体の重量を軽くしなければ安全に着陸できません。

飛行中の機内湿度はほぼ0%です。機内の空気は常時循環しており、一定時間ごとにその半分の空気を機外に放出して湿度0%の外気を取り入れています。その外気に加湿操作は加えていないので、はじめの湿度が50%あっても、離陸3時間で湿度はほぼ0%になってしまいます。したがって、機内では水分の補給を行い、アルコール飲料を控え、コンタクトレンズ装着者ははずしておくといった対策が必要です。ちなみに、機内のトイレは水洗式ではなく、強力な吸引式です。太った女性が便座に座ったまま便器洗浄ボタンを押したため、密閉された便器内が強い陰圧になり、子宮脱を起こしたという笑えない出来事があった由です。洗浄ボタンをおすときには便器から離れて押さないと危険です。  

(出典:Medical Tribune 2006年7月13日 旅行医学事始め 海老沢 功)

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カルテを上手にご利用ください。

診察の時にお渡ししているカルテを上手にご利用下さい。綴じておかれますと、急変時には紹介状代わりになります。救急病院を受診するときにご持参下さい。先日、夜間に急変したとの電話があり、カルテをもって病院に行かれるよう伝えました。しかしその方はカルテをすべて捨てていたといわれました。自分の身を守るために、クリニックのカルテをうまくご利用下さい。

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『とくしま教育の日』推進委員会広報誌への寄稿文『地球の掟(おきて)』

徳島県教育会館内に事務局のある『とくしま教育の日』推進委員会の依頼を受け、以下のような文章を寄稿しました。広報紙は学校関連の施設に配られていますが、一般の方の目には触れにくいかもしれませんので『藍色の風』にも記しておきます。ご一読下さい。

私たちは地球上に住んでいます。しかし大多数の人はそのことを意識せずに暮らしています。徳島には徳島の風習があるように、地球には地球の暮らし方があります。人は重力や空気の中で、また1日24時間で生きていくことにより、いろいろな仕組みが体に備わりました。その特徴に逆らって生活すると、いといろと不具合が生じます。地球で生きていくには掟(おきて)があるのです。

人間を真っ暗闇の中で生活させ、ホルモン分泌のサイクルを計測すると、24時間ではなく、25時間近いリズムで生きていることがわかりました。このリズムを作り出しているのは頭の中にある視交叉上核という直径1mm長さ2mmの組織で小さな神経細胞の集まりです。人が人独自のリズムで生活すると、地球のリズムと次第にずれてくるため、人のリズムを地球のリズムに毎日合わせなければなりません。最も効果的なリセットボタンが朝の太陽の光です。室内の電灯は明るそうに見えても、太陽光の5〜10%程度の明るさでしかありません。早起きをして、窓のカーテンをあけ、朝の太陽の光を浴びることが大切です。さらに、良く噛んで朝食をとる、登校する、出勤するという行動にもリセット効果があることがわかりました。太古の人にとっては狩りであったり、農耕であったりしたことでしょう。 

人のリズムを毎日きちんとリセットすることで、体内の大事なホルモンが規則正しく分泌されたり、15〜16時間後に眠気がでたりすることがわかっています。夜更かしをし、夜に強い光をあびてしまうと、人は「まだ昼」と勘違いして、眠気は遠のき、ホルモン分泌のリズムが崩れます。私達は地球に間借りしている住人であり、私達を地球のリズムにあわせなければなりません。それが地球に住むものの掟です。

将来の地球を担う子供達に、地球で生きる掟を教えましょう。夜遅く、子供達をコンビニやショッピングセンターに連れて行き、強い光を浴びさせるのは止めましょう。そのような行動で子供の体内にどのような変化が起きているか、想像しましょう。朝早く子供を起こして、太陽の光を浴びさせましょう。良く噛んで朝ご飯を食べさせ、学校に送り出しましょう。子供達が元気に地球で生きていくための掟であり、智慧でもあります。

リズムにのった阿波踊りは見事ですが、調子っぱずれのよしこのでは踊れません。子供達にきれいなリズムを教えましょう。そうすれば、それぞれの子供が、その子供らしい見事な踊りを披露することでしょう。子供達の健全な未来のために、今、私達大人がしなければならないことは、「早寝、早起き、朝ご飯」の習慣をこども達にきっちりとつけることです。

坂東ハートクリニック 坂東正章

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