発行にあたって

平成15年9月9日に坂東ハートクリニックを開院いたしました。今年の9月で丸二年が過ぎましたが、右往左往していた開院当時に比べて、安定した診療状態になっているとは思います。しかし私が掲げたクリニックの理念通りの診療ができているか、自省しながらの毎日を送っています。

さて、皆様の診療に際して、私とともに、看護師、管理栄養士、臨床検査技師、受付事務担当者がいろいろとお話しして参りました。しかし、もっとゆっくりとお伝えしたいことがあります。そのために今回坂東ハートクリニックの新聞として『藍色の風』を隔月で発行することにいたしました。徳島という地域から、全国にも通用する情報を皆様にお伝えしようとしています。その手段にふさわしい名前としてクリニックの新聞に『藍色の風』と名付けました。

日頃感じていることですが、新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどで医学関連の報道がある場合に、その内容が一面的であったり、断片的であったりしていると思います。そういったことが皆様によい結果を生んでいないと感じる時が多々あります。そういったことも、この新聞でお伝えして行きたいと考えています。  
ご愛読下さい。

【坂東】

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食事の調整により体重が減少し、高血圧症の状態が非常に良好になった女性の一例

Aさんは50台半ばの女性です。ご主人の勧めもあり、今年の2月に当クリニックを受診されました。困っていたことは何もしないのにドキドキするということでした。20年前から高血圧症を指摘され、近くの医院で薬を二種類もらっていました。看護室での血圧測定では174/104mmHgという高い血圧を示しました。また身長は154pでしたが、体重は78.2Kgもありました。

診察後の私の診断は「コントロールされてない高血圧症」というものでした。こういった場合、まず最初に必要なことは、どの程度の高血圧か見極めるということです。看護師が自宅血圧測定方法の要点を説明し、二週間後に結果を拝見しました。明らかな高血圧症の値を示していました。しかしこのAさんに対して、薬を変えて様子をみるだけではよい結果が生まれません。Aさんの食事を調整し、体重をコントロールすることを治療の根本にすることを説明しました。管理栄養士の東と打ち合わせをし、診察のたびごとに食事内容を伺い、食事をよい方向に調整していきました。

経過中に、お薬をより適切なものに変更していきましたが、受診のたびに体重は減少し、8月には64.1Kg になりました。6ヶ月で14.1Kg の体重減少がありました。血圧の薬は途中から1剤を減量・中止して、8月の時点では降圧剤は1剤だけになっています。自宅血圧は120から130程度で非常に安定した状態になりました。

この方は食事調整による体重のコントロールが非常によく、それが高血圧症の治療に反映されました。
ただ、減量していくときには食事のバランスや食べ方に注意することが必要です。自己流の食事調整は必要な栄養素の偏りができ、免疫力を低下させて他の病気の原因になったりすることもあります。私がお勧めしますように、管理栄養士の東と友達になり、食事内容に関して気軽にご相談下さい。

【坂東】

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体と心に優しい食事を…

おせち料理、節分、雛祭り、入学式、卒業式、花見、節句、七夕、夏祭り、土用うなぎ、お彼岸、月見、秋祭り、運動会、冬至、年越そば、誕生日・・・

一年の間にいろいろな行事がありますが、こんな時には家族が集まり食卓を囲み、季節の料理を楽しんでいただきたいものです。近頃ではいつでも食べたい物が手に入るようになり、家庭の味・母親の味が消えつつあり寂しく思います。我が家では「おばあちゃんの赤飯」が好評で、入学式や誕生日などのお祝い事に登場します。前日から餅米と小豆を用意して、朝目覚めると台所から赤飯を蒸かすいい臭いがしてきます。いつもより早くおきて朝食に間に合うようにと。朝食を用意する香りや音は、耳に心地良く食欲がでてきます。買ってきたバースデーケーキもおいしいですが、おばあちゃんの赤飯は家族皆ご満悦、心まで豊かにしてくれます。是非、私もこの味を受け継ぎたいものです。皆さんの家庭にはこのような料理はありますか。

先日こんな言葉を目にしました。「1日1回包丁を持ちましょう。」

朝はパンと牛乳、昼は外食、夕は惣菜を並べるだけとなると、包丁がなくても料理ができなくても、食べる物はたくさんあり生活できます。が、健康な生活、心豊かな食生活を送ることはできないでしょう。犯罪が低年齢化している背景にはこの心豊かな食生活が減ったことも指摘されています。時間に追われる生活の中でコンビニ、ファーストフードは確かに便利ですが、そればかりでは栄養素の過不足がおこります。その上に孤食。これが子供に大きく影響していると考えられます。家族そろって食卓を囲み、体に優しい食事を食べるようになると、イライラがなくなり成績が伸び、落ち着きがでてくるなどともいわれます。子供も大人も食事は楽しみながら食べ、家族の顔を見ながら心安らぐ場にしたいものです。

『血圧が下がるので毎日バナナやりんごを食べています』食事相談でもよく聞きますが、本当にバナナやりんごで血圧が下がるのでしょうか。一年行事とともに四季があります。その時期にとれた食品を旬の食材といいます。暑い夏には体を冷やすといわれる瓜科の食品が出回ります。夏ばて防止の土用うなぎ。ぼうぜを見ると過ぎゆく夏を感じます。食材を見ると季節がわかり、果物が甘いと日照りの強さも感じます。旬のものは栄養価が高く、その時期に食べるのには理由があるものが多い。すいか、桃、やまもも、メロン、ぶどう等、こんなにおいしい果物があるのになぜ毎日バナナとりんごだけなのでしょう。そろそろテレビの「食品うわさ話」を卒業されて、本来の食事のあり方を考えてみませんか。   

【東 映里】

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心に残る言葉

「ほんなラジオ体操でどないするんや。父親になっても、子供にまともに教えれんぞー。ちゃーんと基本を覚えとけ!」中学2年生の体育の時に、ぶさいくなラジオ体操をしている我々生徒達に向かって体育の先生がどなりました。「子供にラジオ体操を教えるや…」とその思いがけない発想に納得することはできませんでしたが、妙に私の心に残った言葉でした。その後、学校でいろいろなことを学びましたが、知識や技術を自分の身につけるという観点以外に、「そのことを将来の自分の子供にうまく伝えられるように…」という発想が身に付きました。先日も小学生の娘にハードルの飛び方を教えましたが、体育の授業で教わったままの方法を伝えました。

自分の来し方を振り返ってみますと、非常にたくさんの先生方にお世話になったと思います。教育の効果は、外科医が手術をして病気が治ったというような短期間にその効果が現れるものではありません。30年や40年を経過して、その有り難さがしみじみと実感できるものが多いように思います。残念ながら鬼籍に入られた先生もおられます。お礼の申し上げようもありませんが、その感謝の気持ちを自分の家族という狭い範疇にとらわれず、ご縁で巡り会った方々にいろいろな形でお伝えしていこうと思っています。

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血圧は上手に測りましょう

血圧は測定する時の状態や時刻によっていろいろ変化します。また、緊張やイライラ・不安などの精神状態も影響します。家庭で血圧を測ることにより薬の効き具合や体の状態をより詳しく知ることができるので、私たち看護師は皆さんに家庭血圧測定をおすすめしています。

★家庭での血圧測定のルール★
上腕で測るタイプの血圧計を使用し、座って測りましょう。
     1日2回(朝・晩)測りましょう。

《 朝 》 ・起きてから1時間以内に
・排尿はすませてから
・食事や薬を飲む前に
・1〜2分すわって安静にした後に
・測った血圧が高くても低くても測り直しはしない
《 晩 》 ・就寝前
・1〜2分すわって安静にした後に
・測った血圧が高くても低くても測り直しはしない

*測るたびに上がった、下がったと一喜一憂しなくても大丈夫です。毎日測って推移をみていくことが大事です。  

(^o^)丿 こんなことがありました!
数年前より高血圧の治療をしており、自宅血圧も170〜180台ある方が受診されました。血圧の測り方についてお話しし、血圧計を手首から上腕式に変更して測り始めると血圧は110〜120台で推移していました。

* 正しい方法で血圧を測ることももちろん大事ですが、正確に測れる血圧計を使用し、年に1〜2回は定期的な点検が必要です。現在お持ちの血圧計は点検を受けていますか?当クリニックで点検いたしますので、いつでもお持ちください。

【竹内・速水】

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当院の待合室

当院の待合室に『テレビ』がないのはどうしてだと思われますか??

なぜかと言うと・・・・・四季折々の景色を楽しんでいただきたいという思いがあるからです。

☆春には菜の花 ☆夏には水田の緑 ☆秋には実った稲穂や紅葉 ☆冬には雪景色が… (^^)
   ぜひ、お楽しみください。

お願いを少し…
月初めには健康保険証の提出をお願いします。
資格喪失後の受診の方はおっしゃってください。 
10月から保険証が新しくなる市町村があります。よろしくお願いいたします。

【美馬】

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検査室から

クリニック開院より2年がたちました。私達検査技師2名は、採血・諸検査で皆様と関わってきた。その中で、検査の報告書についてお話しする機会がなかったのでここでお伝えしたいと思います。皆様は、当クリニックで血液検査の結果を受け取った際、その報告書をどう見られていますか?報告書の項目ごとに基準値(一定の検査幅)が印刷されていますね。まずは、その正しいとされる値の設定がどのようにされているか、からお話ししましょう。

正しいとされる値の設定⇒この検査数値幅は、約20〜60歳の多数の健常者(体のどこにも異常な症状や所見を認めない人)の測定値を集め、その内の約95%の人が入る枠内で設定されます。この数値は「基準値」や「基準範囲」と呼ばれ、言い換えると5%の人は健常でありながら、この基準値幅から外れることになります。この枠を100%にすると、健常者の“異常値”はなくなりますが、逆に病気でありながら“異常なし”と判定される人が増える事になります。健常者を“異常値”と判定する危険度と、病気の人を“異常なし”と判定する互いの危険度が最も低い点が95%範囲と言われています。

続いて得られた検査値の判定基準として、下記のような見方をします。

正常値《個人の健常時の検査値・変動幅》⇒血液は常に循環し、血管内物質はいつも一定濃度とは限りません。尿も排泄量や物質濃度が1回ごとに違います。つまり、健常時でもある一定範囲の変動が見られるのがふつうです。ただし、個人の変動幅は、集団を対象とした基準値幅よりは狭いことが多く、健常時に健診等で自己の「正常値」を把握しておく事が病気の早期発見のために重要です。年1〜2回の健診を行えば、2〜3年、即ち、3〜4回の検査値からその人の変動幅がわかるので、その範囲から外れると“異常”と判定されます。もし病気で受診された時、たとえ集団の基準値幅から外れていれも、ご自身の正常値範囲にあれば、余計な心配や不要な検査を避ける事ができますよね。次回には少し難しい用語ですが、病態識別値ということについてお知らせ致します。

【田中】

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携帯電話連絡に際してのお願い

(1)カルテを手元においてお話し下さい。
1日に数回程度、携帯電話に病状相談の連絡があります。その際、20年来の患者さんの場合には、病気の歴史や薬の内容も記憶していますが、クリニックに最近通うようになった方や3〜6ヶ月に1回の割合で受診されているような方の場合には残念ながらカルテ内容を十分記憶できていません。病状相談を正確に進めるために、携帯電話で病状相談をされる場合には私がお渡ししているカルテを手元においてお話し下さい。

カルテ下方に■評価と方針という項目があります。皆様にどのような診療を行っているか、簡単に記載しています。またカルテの右側には薬の内容をすべて記載しています。薬の内容を伺い、薬の継続・中止をお伝えすることがあります。それらがわかりますと話が間違いなく進みます。
携帯電話で私に連絡をされるときには、手元にカルテを置いてお話し戴くようお願いいたします。

(2)非通知設定にしないで下さい。
車の運転中や講演会出席中などに携帯電話がなり、すぐにご返事できないことがあります。そのような時に非通知設定にされていると、どなたからの電話があったのかわからず、気をもむことになってしまいます。私への電話連絡のときには非通知設定を解除しておかけ下さい。
以上よろしくお願いいたします。

坂東ハートクリニック
〒770-8025 徳島市三軒屋町下分28番地
(電話)088-669-6255

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